甲虫三昧

久方ぶりの檜原村 その4

枝道の探索を終え、最終目的地の都民の森へ向かいます。ところがどっこい、都民の森は思いのほか気温が低く、寒いと感じるほどの冷やかさでした。そんな都民の森で唯一撮影出来たのがこのマグソコガネ。ご近所の畑にもいるただマグソに似ていますが細身で、大きさも一回り小さく、ひょっとしてマキバマグソコガネじゃなかろうかと、そのように見立てた熟年虫好き。秋季に活動するという点もマッチしています。
20-DSC_0823wdn(Hn).jpgマキバマグソコガネ?

とまぁ。こんな具合なので都民の森は早々に撤退。最初の小規模土場へ取って返します。

里にも多いエグリゴミムダマシのメス。剥がした樹皮裏から出て来ました。こう言っちゃあなんですが、折角ここまで来たのですから、ツノゴミダマの一つや二つ、いてくれてもよさそうなものですが、ここ最近ミツノゴミダマとかヒメツノゴミダマとか全然見なくなりました。みんなどこへ行ってしまったのでしょう。腑に落ちません。

21-DSC_0961wdn(Hn).jpgエグリゴミムシダマシ♀

浮いた樹皮の裏側から這い出てきたテッカテカのハネカクシ。出てきた途端ピタッと止まってしまい、まったく動かなくなりました。動きの速い虫でも、時々こんな風にフリーズしてくれたら撮影も楽なんですけどね。それにしても何というツヤ。まるで漆を塗り重ねた工芸品のようです。
22-DSC_0983wdn(Hn).jpgクロツヤハネカクシ

古びた材に微小なゴミムシが沢山います。チョコマカと動き回り、撮影のチャンスはなかなか巡ってきません。でどうにか撮れた写真がこの一葉。何だか得体のしれない物体に寄り添っていますが、この子の正体は何でしょう。ゴミムシのベージを繰りながら、とりあえず出した答えがオオヒラタミズギワゴミムシ。この一枚ではどうしたってリベンジは避けられません。また来シーズンです。
23-DSC_1001wdn(Hn).jpgオオヒラタミズギワゴミムシ?

アブ、ハチの類は門外漢ですが、撮りはじめると守備範囲が広がり、甲虫探しがおろそかになりゃせんかと恐れているだけで、嫌いなわけではありません。翅の黒いアブは初見だったので、ちょいと色気が出てしまいました。
24-DSC_1062wdn(Hn).jpgアブの一種

ダメ元という言葉がありますが、このダメ元は虫探しでもよく使います。一種の賭けのようなもので、いたら儲けもの、くらいの感覚でしょうか。この時もダメ元で、丸裸の針葉樹をゴロリと転がしたら、その裏側にこんな虫が潜んでいたというわけです。似たような種がいくつかいますが、前胸背の張り出し方と、この寸胴スタイルはムナビロテントウダマシしかいないでしょう。一頭出てきたら、まわりの材からポロポロ出てきました。
25-DSC_1146wdn(Hn).jpg

右下に見えているのは本種の幼虫でしょうか。
25-DSC_1151wkn(Hn).jpg

25-DSC_1161wdn(Hn).jpgムナビロテントウダマシ

雲が広がり暗くなってきました。最後のあがきで、土場から移動して虫を探します。熟れた無花果に何やら虫の気配。オオゾウムシのようです。気配しか撮れないので、Getして別撮りします。子供の頃、採集したオオゾウムシに虫ピンを刺そうとして、まったく歯が立たなかったことを思い出します。こやつの硬さはハンパないです。知ってました?
26-DSC_1225wdn(Hn).jpg

27-DSC_0058wkn(Hn).jpgオオゾウムシ

この日最後の撮影相手は、この小さなトビハムシ。同定の難儀なナガスネトビハムシの仲間です。いたら取りあえず撮るというのが「甲虫三昧」のモットーですが、同定がままならないというのはちと辛いものがあります。
28-DSC_1287wdn(Hn).jpgナガスネトビハムシ属の一種 ‘16.10月上旬 東京都檜原村

久方ぶりの檜原村はこれにて終了です。やはり時期が遅すぎました。来シーズンはもうちょっと季節のよい時に来ることにしましょう。



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  1. 2016/11/10(木) 21:10:49|
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久方ぶりの檜原村 その3

土場を離れ、少し標高を上げます。橋を渡った先の路肩に車を止め、人の往来のほとんどない枝道へ入ります。

ここからはビーティングが頼りです。早速ヒゲナガホソクチゾウムシが落ちました。このグループも好きな科の一つですが、微小種ばかりで撮影は忍の一文字です。

12-DSC_0760wtn(Hn).jpg

13-DSC_0514wdn(Hn).jpgヒゲナガホソクチゾウムシ

ほぼ同時に落ちたこれもホソクチゾウムシの仲間。前者よりさらに小さく、ヒレルホソクチが該当しそうですが、自信はありません。間違っていたら平にご容赦です。
14-DSC_0622wdn(Hn).jpgヒレルホソクチゾウムシ?

これもビーティングの落し物。しかしどの植物から落ちたのがわからないので、同定は絵合わせしかありません。感覚的にはソーンダーズチビタマムシですが、図版を見た限りの印象なので、当てにはなりません。
16-DSC_0660wdn(Hn).jpgソーンダーズチビチビタマムシ?

ビーティングでこんなものが落ちてきました。いやぁ、ビックリです。灌木を叩いてコウモリを落としたのは初めてですが、落とされた方もびっくらこいたでしょうね。広げた傘の上で、2~30秒間バタバタやっていましたから、相当焦っていたみたいです。大きさは翅を広げて15cmくらい。私が学生の頃は、家の近所にもまだいまたけれど、最近はとんと見ません。
17-DSC_0692wtn(Hn).jpg
コウモリの一種

ホストのボタンヅルにいたオオキイロマルノミハムシ。この時期にいるということは、このまま越冬に入るということでしょうか。カメラも気にせず、モシャモシャと葉をかじり続ける姿は、まさにそんな感じですよね。
18-DSC_0710wtn(Hn).jpg
オオキイロマルノミハムシ ‘16.10月上旬 東京都檜原村

この続きはまた明日かな。



  1. 2016/11/09(水) 20:00:54|
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久方ぶりの檜原村 その2

ホタルっぽくないホタルハムシ。ホタルのように上翅端が黄褐色の個体もいますが、ここにはホタルバージョンはいないようです。この時期でも数はそこそこいて、子作りに励むペアも結構いました。
7-DSC_0912wdn(Hn)_20161108203913457.jpg

8-DSC_0400wdn(Hn).jpgホタルハムシ

湿気のある朽ち木や倒木の樹皮裏でよく見かけるクロヒラタケシキスイ。樹皮裏ケシキスイの定番と言えるでしょう。
9-DSC_0410wdn(Hn).jpgクロヒラタケシキスイ

私のキャップへ飛んで来たクロハバビロオオキノコ(多分)。背景が帽子では様にならないので、手近なキノコに移動して撮ったヤラセです。でもそれっぽくはなりましたよね。しかしキノコの白さに負けて画像が潰れてしまいました。
10-DSC_0433wdn(Hn).jpgクロハバビロオオキノコ?

転がした材の裏側にいたカタモンオオキノコ。表ではなく、裏にいたのが何やら胡散臭いです。同じキノコは表にも沢山あるのに、何故わざわざ材の裏のキノコなのでしょう。寒かったからでしょうか。この日は気温が上がらず、虫たちの動きも鈍かったですからねぇ。
11-DSC_0465wdn(Hn).jpgカタモンオオキノコ ’16.10月上旬 東京都檜原村

この続きはまた明日。



  1. 2016/11/08(火) 20:44:43|
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久方ぶりの檜原村 その1

久方ぶりの檜原村。しかし季節は10月。多くは望めませんが、都民の森へ向かう道すがら、好きな場所で車を止め、秋の雑甲虫を探そうというお気楽虫行脚です。期待せずお付き合いください。

以前、小規模な土場があったところ。最近また稼働しはじめたようで、小型のユンボが止まっています。しかし材は少量でしかも針葉樹のようです。狙いは数年前から野積みされているキノコだらけの古い伐採木。とにかく撮影出来る虫がいたらそれでOKという、そんな感じの虫撮り、虫探しです。

0-DSC_0083wkn(Hn).jpg

0-DSC_1193wkn(Hn).jpgこんな感じのところ・・・

ざっと見何もいません。やっばり時期が遅すぎたようです。くどいようですが、なんせもう10月ですからねぇ。表面探索を諦め、浮いた樹皮をめくります。およ、マイマイがいました。もう越冬でしょうか。この地でマイマイは初見です。
1-DSC_0178wkn(Hn).jpg

2-DSC_0235wdn(Hn).jpgヒメマイマイカブリ

3-DSC_0161wdn(Hn).jpgついでに撮ったサワガニ

?な虫が出て来ました。小さい上に暗がり撮影ではこれが精一杯。体長は3mm弱、大きさ、形、触角などからミジンムシダマシ科と推測しましたがどうでしょう。正確な同定は無理ですが、クロミジンムシダマシが一番近そう、なんて考えています。
4-DSC_0288wdn(Hn).jpgクロミジンムシダマシ?(ミジンムシダマシ科?)

材の樹皮裏に隠れていたクチキムシの仲間。一見オオクチキムシのそれですが、どこか違います。複眼がメチャ大きいです。しかも寄っています。今までこんな面構えのオオクチキは見たことがありません。ひょっとするとヒメオオクチキムシかもしれません。そうであることを願いつつ?付きでヒメオオクチキとしました。間違っていたら平にご容赦です。
5-DSC_0348wtn(Hn).jpg

6-DSC_0341wdn(Hn).jpgヒメオオクチキムシ? ’16.10月上旬 東京都檜原村

一挙掲載はネタ不足に陥る危険性があるので、ボチボチいきます。



  1. 2016/11/07(月) 20:17:01|
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雑甲虫求めて三度山梨へ 後編

林道沿いのイタドリを観察します。もとよりカミキリは期待していませんが、イタドリの雌花に何やらカミキリっぽいシルエットが見えます。なんでしょう、ピドニアでしょうか。でも見たことのない斑紋です。図鑑を見ても、その斑紋に該当する種が見当たりません。すわ、未記載種! な訳はありませんが、他のベージをつらつら眺めていたらありました。チャボハナカミキリです。解説によれば多くの地域で優先種とのこと。しかし10年以上甲虫を追いかけていますが、ついぞ見なかったカミキリです。そう思うと、つくづく私はカミキリの縁のない甲虫屋だなぁ、と今さらのように思うのです。
1-DSC_0794wkn(D).jpg

2-DSC_0798wdn(D).jpgチャボハナカミキリ

チャボハナの隣にいたセスジツツハムシ。随分遅くまでバラルリっているんだなと、いぶかしく思いましたが、バラルリじゃない、セスジツツだぁ! となった訳です。見る機会は少なく、私もまだ1~2回しか見ていません。和名の通り、上翅の点刻列が明瞭で、バラルリとの違いは一目瞭然です。写真が甘いのが悔やまれますが、撮れただけマシとすべきでしょう。リベンジしたいけど、いつ会えるかわかりませんから・・・。
4-DSC_0841wdn(D).jpgセスジツツハムシ

アサギマダラを初めて見たのは小学6年のころ。家族で那須の茶臼岳へ登った時のことです。山頂に飛来(吹き上げられた?)したアサギマダラを見つけ、網をかざして猛ダッシュ。そして一振り。しかし相手は網をすり抜け、天高く舞い上がってしまいました。何かの本でアサギマダラは捕獲しそこねると、素晴らしいスピードで天空へ舞い上がると書いてあったその通りのことが、目の前で起こってしまったのです。今でこそ心安らかに撮影出来ていますが、あの時の悔しさは今でもはっきりと覚えています。私にとっては、思い出深いチョウチョなのですね。
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5-DSC_0976wkn(D).jpgアサギマダラ

お約束の某ペンション庭先土場へやって来ました。9月も平日となればさすがに虫屋の姿はなく、静かなものです。しかも期待していないとは言え、カミキリ一頭いない土場は、なんと寂しく、やるせないのでしょう。キマワリさえいないのですから、何をかいわんやです。

それでもめげずに材を物色します。ムムッ、ケシキスイ。確信はありませんが、どうやらあまりヒョウモンぽくないヒョウモンケシキスイのようです。これは是が非でもアッブ画像を撮らなければなりません。が、しか~し、それを狙ってにじり寄った途端、当のケシキスイは無情にも材のすき間へ真っ逆さま。「どうしても撮らなくちゃならない甲虫リスト」にノミネートされていたケシキスイが、あっという間に目の前からいなくなってしまいました。

6-DSC_1032wdn(D).jpgヒョウモンケシキスイ
※根拠は全体に赤味があり、肢が赤褐色という点、そしてフォルムが似寄りのクリストフオニに比べ、ふっくらとして巾があることでしょうか。間違っていたら赤っ恥ですが、ここは希望的観測を前面に、ヒョウモンケシキスイで押し通そうと思います。

見た目はワシバナヒラタですが、胸の点刻の出方がまるで違います。図鑑の解説では、ワシバナヒラタより小さいことになっていますが、この個体は結構大きかったような気がします。初見のゾウムシなのに撮影態度がおざなりで、今になって後悔している熟年虫好きです。
10-DSC_0320wdn(D).jpgワシバナヒメキクイゾウムシ

微小なキクイムシも、これだけはっきりとした斑紋を持つ種はいいですね。でも種名がわかりません。シラベザイノキクイムシ、カシワノキクイムシ、オオザイノキクイムシ・・・。どれも該当しそうですが、お仲間が沢山いるみたいで、正確な同定はちょっと無理なようです。
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11-DSC_1149wdn(D).jpgキクイムシの一種

大型の甲虫のいない土場って、本当に寂しいですね。小さくてもいいから、他にもっといないかなぁ、と土場のあちこちを浮遊する熟年虫好き。やがて執念とも言うべき薄茶色の小さな虫をキノコに見つけました。これはツノゴミダマのようです。小粒ながら、なかなかの造形を持つこの手のゴミムシダマシは私の好物です。
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12-DSC_1239wdn(D).jpgコチビツノゴミムシダマシ

もはや山梨シリーズの最後を飾るのは、この虫以外いなくなってしまいました。すいませんが、今季三度目の登場です。でもちょっと異質でしょ、この個体。最初に見た時は別種かと思うくらい上翅が黒く見えたものです。
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DSC_0317wdn(D).jpgツマグロヒメコメツキモドキ ‘16.9月初旬 山梨県甲州市(すべて)

これにて終了。お付き合いいただきありがとうございました。



  1. 2016/10/04(火) 20:05:53|
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